論文のテーマ：電磁波レーダ法を用いた RC 床版の定量的状態判別手法

論文の概要：近年、我が国の道路橋におけるRC床版は、塩害やアルカリシリカ反応、凍害が複合的に作用しコンクリートを消失させる砂利化（土砂化）が顕在化してきています。この砂利化は、床版内部で発生、進展するために深刻な状態となって初めて事後対応せざるを得ない場合がほとんどです。しかし近年は、電磁波レーダ法を用いて砂利化の生じた位置や、その範囲を推定することに成果を挙げています。その一方で、砂利化は損傷程度が大きいと修繕をしても補修材料に再劣化が生じるなど、いかに床版の砂利化を劣化初期段階で検知するかが今後の課題となっています。

そこで本研究では、砂利化または砂利化を生じさせる損傷を誘発すると考えられる床版コンクリート内の水に着眼し、その滞水状況を電磁波レーダで検出する際の振幅の閾値を定量的に定める方法について検討を行いました。

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